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「騙し絵の牙」「夢を売る男」 [本]

久々の感想文

「騙し絵の牙」 塩田武士 2017
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大泉洋をモデルに主人公をあてがき(その役者の個性に合わせて登場人物を描くこと)した小説
だそうです・・・
売り上げが右肩下がりジリ貧になっていく出版業界で生き残っていくためには?、小説を消滅させないためには? ってお話

「夢を売る男」 百田尚樹 2013
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本を出版する話・・・ でも、出版業界とは似て非なる霊感商法的なビジネスが題材
"永遠の0" の中に、"大空のサムライ" か" 零戦の真実" のどっちか忘れたけどパクリ文章を発見して嫌いな作家に認定したので読む気しなかったけど、同じ出版業界の話ってことで”騙し絵”との対比で読んでみたらなかなか良かった



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「騙し絵の牙」ネタバレ
文章が硬くて読みづらい
大泉洋のあてがきとあるがイメージ合わない
場面の移行時に個人の心情描写が毎回でてきてくどい
紙が読まれなくなってメディアミックスへ移行ってアイディアは面白い
出版社の資源(作家達)を根こそぎ持っていくの痛快ではある
ではある・が、構成として理論的に痛快なはず と思うけど読んでいて爽快感はない
ストーリー上の対抗勢力にとっては青天の霹靂 大どんでん返し 
と読取れるけど読者からみたら、へぇー って程度 いや面白いんだけど・・・ なんだか、もやもや 
びっくりしないし、どきどきしないし、感動しない、すごい!とも思わない、騙された!って感覚にならない
その意味では騙し絵 ってタイトルが合ってない気がする
でも裏の裏を読んで、騙される と思って小説読んでるのに 騙された!って思えないからタイトルに騙された!ってことで 実はそれこそ正しいタイトルなのか? 
エピローグの生い立ちを追っていく話は絶対要らない これのせいで最後がぐだぐだになってる 
でも、これがないと最初に同僚が登場する場面の意味が殆どなくなる と考えると冒頭のくだりも不要


「夢を売る男」ネタバレ
面白かった
最後のエピソードが良い(主人公の台詞がちょっとくどいけど) 最後の一言も凄くいい 気分良く読了させてくれた
競合他社を貶める章も面白い、スパイって荒唐無稽な感じもするけどまあ小説だしな と思えば笑えるしやっつけた後は爽快感もある
この辺は騙し絵での出版社に対するどんでん返しにも通じるんだけどなんであっちにはこの面白さがないのか???
あっちの方がホンモノっぽくて現実味があるから? こっちがエンターテイメントな書き方だから?
どちらも面白い本じゃなきゃダメといいながら騙し絵の硬い感じは(面白みが少ない感じは)どうなんだろう?
とは言えこちら本にもイマイチなところがあって、からくりを読者に理解させるための部下との会話が説明調になってる場面は くどくて途中から飽きてくる、何か別の方法はなかったのか と思った
既存の出版業界とは異なる、出版をネタにしたビジネスであり、夢をお金で買ってもらう商売
見方を変えれば高額な壷の商売と変わらない、顧客がそれで満足なら訴えられることがないのも壷と同じ
違いは商品である”本を出版するという行為”が高尚な物と勘違いできそうで出版業界ネタと思って読めること
この辺はモチ屋が書いているからこその上手さ タイトルもストーリーに合ってる


ってことで、お薦めは「夢を 」だけど両方読むのもありかな、カチッとした文章好きな人は「騙し絵 」の方が好きかも
両作家とも電子書籍反対派だからkindle版がなくて重いけどね
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コメント 1

ケンケン

オススメありがとうございます!
どちらも楽しく読めました(*•̀ᴗ•́*)و ̑̑
感想も流石です自分では上手く言えない事をズバリ!
久しぶりに小説読みました〜(*´∀`)♪
by ケンケン (2017-11-02 21:04) 

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